母平均の区間推定(母分散)が未知&小標本の場合

Pocket

母分散が未知で小標本(標本数30未満)の場合の母平均の区間推定を解説します。母分散が未知の場合の母平均の区間推定には、2つのケースがあります。一つは、大標本(標本数30以上)の場合でもう一つは小標本(標本数30未満)の場合です。今回は、母分散が未知で小標本の場合、母平均の区間推定の方法を解説します。(標本数が30未満の場合を、小標本と言います。)

  1. 母標準偏差が既知の場合  [パターン1]
  2. 母標準偏差が未知の場合(大標本:サンプル数が30以上) [パターン2]
  3. 母標準偏差が未知の場合(小標本:サンプル数が30未満)[パターン3] <ー 今回はこれを解説

実は、母分散が未知の場合の母平均の区間推定で小標本の場合は、パターン2の大標本の場合の区間推定のやり方を少し変更するだけで、同じようにして、区間推定ができます。

母分散が未知で小標本の場合の母平均の区間推定の公式

大標本の場合からの変更点は、利用する分布が、正規分布からt分布に変更になるだけです。(t分布には自由度の概念が入るので若干複雑になるが、応用上は大したことはありません。)

\displaystyle P(\bar{X} - t_{0.05}\times \frac{s}{\sqrt{n}} < \mu<\bar{X}+t_{0.05}\times\frac{s}{\sqrt{n}})=0.95

 

ここで、各パラメーターの意味を書いておきます。

\mu : 母平均、(これを知りたい!)

s : 標本標準偏差、(簡単に計算可能!)

\bar{X} : 標本(サンプル)平均 (簡単に計算可能!)

n : 標本(サンプル)の数 (当然知っている!)

P(***)=0.95 : ***となる確率が、0.95(95%)ということ。

そして、t_{0.05}は、Tを自由度m=n-1t分布に従う確率分布としてP(T<t_\alpha)=1-\alpha/2で定義される量です。残念ながら正規分布の時と違い、この値t_{0.05}は自由度m=n-1によって異なるので、この部分だけが少し複雑に成ります。

このt_\alphaは、教科書の付録などにあるt分布表にも掲載されているし、エクセルなどの統計ソフトを使っても簡単に求めることができます。ちなみに、m=9の時は、t_{0.05}=2.262になります。

t分布の場合、正規分布より裾野が厚いので、大標本の場合の公式で求めるより、上記の小標本の場合の公式で信頼区間を求めたときに、区間幅がひろくなることに注意しておきましょう。

例題

(例題)ある工場から出てくる、加工木材も長さ(母平均\mu)を、サンプル調査をして見積もりたい。サンプルとして、9本(n=9)とってきて、その標本平均は\bar{X} が503cm、標本標準偏差sは1.2cmであった。その時、5パーセント信頼区間で、加工木材の長さ(母平均\mu)を求めよ。

(解答)問題のデータを、上記の公式に代入すると、以下に当てはめると次のようになります。

\displaystyle P(503 - 2.306\times \frac{1.2}{\sqrt{9}} < \mu<503+2.306\times\frac{1.2}{\sqrt{9}})=0.95

ここで、この問題の場合自由度m=n-1=9-1=8なので、t分布表よりt_{0.05}=2.306をもちいた。これを計算すると、

\displaystyle P(502.08 < \mu< 503.92)=0.95

 

この式は、この工場の木材の平均の高さが\muが、95パーセントの信頼係数で、以下の範囲にあることを示しています。

502.08 < \mu< 503.92(cm)

目次に戻る

●関連ページ
区間推定
母平均の区間推定(母分散が既知の場合)
母平均の区間推定(母分散が未知&大標本の場合)
母平均の区間推定(母分散が未知&小標本の場合)
母分散の区間推定

コメントは停止中です。