確率変数の期待値

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確率変数に対する期待値(Expectation Value)は、確率的に変動する現象がある時にその確率変数が「平均的」にとりうる値を表します。たとえば、300円の宝くじを買ったときに何円くらいのリターンが期待できるかが期待値の例です。それ以外だと、競馬の馬券を買ったときにいくらくらいのお金が戻ってくるかとか、スロットマシーンのときはどうかなども期待値の問題ですね。なんかギャンブルの話ばかりしましたが(笑)、さっそく話をすすめてみたいと思います。

 

離散確率変数と連続確率変数の2つの場合に分けて、確率変数の期待値を定義します。コンセプトとしては同じですが、連続確率変数の場合は無数の値をとりうるので和をとるときに積分を使う必要があります。(積分は無限個の足し算と同じです。)

期待値の定義

離散確率変数の場合の期待値の定義

確率変数Xの期待値をE[X]と表します。確率変数Xが離散確率変数の時は以下にように期待値が定義されます。確率変数Xx_iという値とる確率をp(x_i)=P(X=x_i)とすると、期待値は、次のように定義されます。

\displaystyle E[X]=\sum_{i}x_ip(x_i)

この定義は、確率変数Xの値と、その値をとる確率をかけた値をすべて足すということです。離散確率の場合は、これで良いのですが、連続変数の場合は、確率変数が無限個ありますので和の計算が積分で書き直さなければいけません。積分は無限個の足し算という意味を持ちます。(積分の詳しい解説は数学のパートを参照してください。)

連続確率変数の場合の期待値の定義

確率変数Xが連続確率変数の時は以下のように期待値が定義されます。確率変数Xx以下の値をとる確率を累積分布関数(cumulative distribution function)と言い P(X\le x)=\int_{-\infty}^x p(x)dxと表します。すると、期待値は次のように定義されます。

\displaystyle E[X]=\int_{-\infty}^\infty xp(x)dx

期待値の例

離散的確率変数のときの期待値の例を見てみましょう。

 

(例)確率変数Xを、サイコロを1個振った時の出た目とする。この確率変数の期待値を求めよ。

\displaystyle E[X]=\sum_{i}x_ip(x_i)=1\times\frac{1}{6}+2\times\frac{1}{6}+3\times\frac{1}{6}+4\times\frac{1}{6}+5\times\frac{1}{6}+6\times\frac{1}{6}=3.5

 

サイコロ1個を振ったときの出る目の期待値は3.5です。サイコロは1から6までありますので、3.5はちょうど真ん中の値ですね。

確率変数の関数の期待値の定義

確率変数に対する期待値だけでなく、確率変数の”関数”に対しても期待値を定義することができます。さっそく、定義を見ていきましょう。

離散確率変数の場合

確率変数Xの関数f(X)の期待値をE[f(X)]と表します。確率変数Xが離散確率変数の時は、p(x_i)=P(X=x_i)とすると、次のように定義されます。

\displaystyle E[f(X)]=\sum_{i}f(x_i)p(x_i)

連続確率変数の場合

確率変数Xが連続確率変数の時は P(X\le x)=\int_{-\infty}^x p(x)dxとすると、次のように定義されます。

\displaystyle E[f(X)]=\int_{-\infty}^\infty f(x)p(x)dx

 

ここで、特にf(X)=Xとすると、この定義は、通常の期待値の定義を同じになります。

確率変数の関数の期待値の例

例を見ていきましょう。
(例)確率変数Xを、サイコロを1個振った時の出た目とする。この確率変数の関数f(X)=X^2の期待値E[X^2]を求めよ。

\displaystyle E[X^2]=\sum_{i}x_i^2p(x_i)=1^2\times\frac{1}{6}+2^2\times\frac{1}{6}+3^2\times\frac{1}{6}+4^2\times\frac{1}{6}+5^2\times\frac{1}{6}+6^2\times\frac{1}{6}=\frac{91}{6}=15.17

 

この例は、今のところ応用的な意味が不明ですが、確率変数の分散の計算のところで使います。

 

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