博士号取得後、研究以外の分野に転出した人の人生

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博士号取得後、研究以外の分野に転出した人の人生について何人かの人の声をお届けします。博士課程の方、これから博士課程に進まれる方への参考になればと思います。

<大学院卒業後、製薬企業へ>

私は国立大学の自然科学科 生物工学専攻で博士号を取得後、製薬企業に就職し、薬事部に配属になりました。薬事部とは、新薬の申請書を作成し、国の役所(厚生労働省やPMDA)に提出する部門です。従って、研究所のデータをまとめたりはしますが、自分で実験することは全くありません(パソコンと向き合ってばかりの事務仕事です)。

そこに5年勤めた後、今は製造部門(工場)の品質管理部へ異動しました。品質管理部は医薬品の品質試験を行うところなのですが、試験自体はパートや派遣の方が行うため、私は試験結果を確認して、トラブル等がないかをチェックするのが主な業務です。どちらの仕事も、実際に自ら実験をするような部門ではなく、主にパソコンや書類と向き合う業務であり、専門知識は必要なものの、博士号が必要な仕事とは言えないと感じます。実際に、同じ部署では修士卒や学部卒の方が、私と同じ仕事をしています。

しかし、彼らよりも各データの意味や、研究所での研究内容は深く理解できているのではないかと自負しております。また、今後出世していく上では、博士卒の肩書きは多少なりとも有利なのではないかと考えています(実際に、部長以上は博士号を持たれている方が何人もいます)。そもそも、アカデミックの道から外れて一般企業に就職したのも、自分の実力では今後研究の道に進むことが困難であり、大学に残って研究する道の狭さに怖気付いたためであることを考えると、きちんと残業代がでて、週休二日の今の生活はとても恵まれたものだと感じています。

 

<知りたい、伝えたい!を仕事に>

私は国立大の理工系研究科で博士号を取得後、フリーライターとして活動しています。この仕事を始めたきっかけは、もともと活字に興味があったこと、在学中のインターンで、出版に関わる機会があったことです。研究室内では異質の選択でしたが、プライベートでの友人たちが、起業したり、既に全く違う分野で働いたりしていたのが励みになりました。博士課程では、先生方が学生に大枠の方針を任せてくださり、自分で実験計画を立てて研究を進めました。現在の仕事も、自分で企画を提案し、スケジュールを調整しながら進めていくという点で、研究と良く似ており、博士課程での経験は大きく生きていると思います。博士号があることで、「専門的な観点からの仕事を」と依頼して頂ける機会もあります。

 

<結局研究でごはんは食べられない>

国立大学の文系学部を卒業しました。数年はなんとかなりましたが、結局仕事は見つからず、かっこ良くいえばフリーランス、悪くいえば半分ニートのような状況でお小遣い稼ぎをしているようなレベルです。
理系ならまだしも、文系ではアカデミックに残るなんていう選択肢がとれる人は少数です。女性ならばなお一層狭き門で、今は文章を書くのが好きなのでライター稼業をしているって感じです。博士号はとらなければ話にならないので、その意味ではとらなければどうにもならなかったと思いますが、自分の人生においては確実にマイナスですね。今は、給与は少ないですが心は晴れ晴れしています。何より人の目を気にしなくていいのが最高です。

 

<懸命にやってみてこそ道が開ける>

地方の国立大学で農学博士号を取得したけれど、その後また首都圏の国立大学理系を卒業しました。
博士号を取得する過程での農学部では面白い経験が出来て、それが実生活で生かされることがあまりないけれど、それでも獣医科の勉強も出来、農学部は雑多で面白い分野でした。

在学中から音楽も好きで、リコーダーという楽器をやっていてそちらにも進みたくてレッスンも受けたりしながら勉強してました。それなりにふけるようにもなり音楽仲間も出来ましたが、それ以外にイラストにも興味があり、水墨画も勉強してイラストも手がけるようになりました。相変わらず音楽にも興味がありますが今はイラストレーターとして又音楽とのコラボレーションなどもしながら生計を立てています。

なんでも一生懸命にやれば仕事になっていきますから、何が得で何が損だと考えずに、興味のある分野をあくことなく継続してやり続けることで、自然に仲間も出来、収入へもと繋がっていくと感じています。

 

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